認知症ってなに?
認知症とは
人は、病的な原因で脳の神経細胞が減ったり働きが悪くなることにより、脳の機能が低下します。それにより、記憶力などに障害が起こり、生活に支障をきたす状態になることを認知症と言います。
多くの認知症は、現在の医学では残念ながら症状の進行を止めることはできません。しかし、認知症を早くみつけて、より早く治療や良い介護等を行なえるようになると、その後の症状経過が良くなります。認知症になっても、すべての能力が失われるわけではなく、適切な対応により、住み慣れた地域で暮らし続けることができます。
認知症の人は、自分では病気であることが理解できにくいため、病気だと周りの人が気付くまでに時間がかかることがよくあります。認知症は病気のタイプや個人差によっては、みられる症状や進行の速さが違います。出来ないことと出来ることを周りの人が理解し、温かく支援する姿勢や暮らしやすい環境作りが大切です。
働き盛りの世代でも発症することもあることから、認知症は誰にでも起こりうる病気と言えます。
認知症の種類
アルツハイマー病
認知症の原因として最も多く、物忘れから始まる場合が多く、初期では、数分から数年前の出来事を覚えていることができません。他の症状として、曜日や日にちが分からない、気候に合った服が選べない、薬の管理ができないなどがあります。
脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血などによって、神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、神経細胞の働きが悪くなります。症状は脳梗塞の部位によっても違いますが、意欲が低下して、考える速度が低下します。
前頭側頭葉変性症
比較的若く発症し、やってはいけないこと(万引き、会話中に突然立ち去る等)を我慢できなかったり、同じ行為を繰り返したりするなど、性格変化と社交性が保てないということがあります。
レビー小体型認知症
繰り返し幻視 (実際にはいない、小さな動物や人物など)が見えたり、注意力等が数日毎に変動したりします。動作が緩慢になり、転びやすくなるなど、身体的な影響があるため歩行が難しくなります。立ちくらみや便秘、頻尿などを伴うことや睡眠中に大声を上げることもあります。
治療可能な認知症
認知症とよく似た状態を示す病気の中には正常圧水頭症や栄養障害などのように、早期に治療することで治せるものがあります。
認知症の症状
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中核症状
程度の差はあれ、すべての患者にみられる
病気が進むと悪くなっていく▼
抗認知症薬で進行が遅くなる
周辺症状(行動心理症状)
みられる人もいる
病気が進んでも悪くならない場合もある▼
周りの人の接し方や環境・抗認知症薬で
症状が改善する可能性がある
中核症状
- 記憶障害
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同じことを繰り返して言う、大切な会話や出来事を忘れる、以前よりも物をよくなくす、最近起きた重大ニュースや出来事そのものを忘れる、鍋を繰り返し焦がしてしまう、薬の管理ができない等が起こってきます。
- 見当識障害
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今の年月や時刻、自分がどこにいるか、自分の家族は誰か等、基本的な情報が分からなくなってきます。
- 理解・判断力の障害
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長く話されると理解が追い付かず会話についていけない、言葉を理解できないために読書や書字をさける、緊急事態(ぼやが起きた場合等)のときに適切な判断ができなくなってきます。
- 実行機能障害
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料理の手順が分からなくなる、人を招いたときに大人数の食事を用意することができない、一度に複数の物事を処理できない、効率よく作業することができない等が生じてきます。
- 視空間認知障害
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迷子になる、家族や親友の顔が認識できない、服を着る・脱ぐが困難になる(前後逆や裏表逆に着ることがある)、幻覚が見える、物体が違うものに見える(錯視)等があらわれます。
- その他
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社会的認知の低下
相手の思っていることを想像すること(こころの理論)が苦手になるため、自己中心的になったり、コミュニケーションがうまくとれなくなってきます。
周辺症状(行動・心理症状)
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行動心理症状
- 陽性症状
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- ☑徘徊(はいかい)
- ☑妄想(もうそう)
- ☑脱抑制(だつよくせい)
- ☑せん妄(せんもう)
- ☑幻覚(げんかく)
- ☑誤認(ごにん)
- ☑焦燥(しょうそう)
- 陰性症状
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- ☑不安
- ☑抑うつ
- ☑意欲低下
- ☑拒絶
認知症の診断・治療
早い時期に受診(診断)することのメリット
◎病気が理解できる時点で受診し、少しずつ理解を深めていけば生活上の障害を軽くすることができて、その後のトラブルを減らすことも可能です。
◎事前に障害が重くなったときの後見人を決めておくなどの準備をしておけば、認知症が進行しても自分が願う生き方ができます。
◎認知症のような症状があらわれても、治る病気や一時的な症状の場合もあり、そのまま放置しておくと完治は困難になってきてしまいます。
治る病気や一時的な症状
正常圧水頭症、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、ビタミンB12欠乏症、甲状腺ホルモン異常、不適切な薬の使用などは治る可能性がある病気です。
認知症の治療
薬物治療
アルツハイマー病やレビー小体型認知症の中核症状には抗認知症薬(コリンエステラーゼ阻害剤)を用いて症状の進行を遅らせます。アルツハイマー病の中期以降にはNMDA受容体拮抗薬を用いることができます。
非薬物療法
周辺症状(行動心理症状)の第一選択は非薬物療法です。介護ケアなど、認知症の人への関わり方で大きく症状は変わってきます。適切な対応を学ぶことが症状を良くしたり、予防する近道です。その他には、認知機能訓練、認知刺激、認知リハビリテーション、運動療法、音楽療法、回想法、認知行動療法などがあります。
認知症予防についての考え方
予防について
食事療法
高血圧症、脂質異常症、肥満、糖尿病などを防ぐ食事をすることで、認知症の発症リスクを減らすことができます。バランスの良い食事を心掛けましょう。
運動療法
認知症の発症自体には効果は薄いですが、廃用(脳や身体を使わないことで認知症の症状が加速すること)を防ぐことで筋力低下や生活習慣病になりにくくする効果があります。
趣味等の活動
趣味など自分の好きな活動をすることで、認知症の予防になるという可能性が高いです。積極的にいろんな活動に取り組んでみましょう。
MCI(軽度認知障害)
日常生活に支障をきたす程度には至らないため認知症とは診断されませんが、記憶障害と軽度の認知障害が認められ、正常とも言い切れない中間的な段階をMCI(軽度認知障害)と呼びます。MCIの方の半数が認知症へ進行すると言われています。前述のような予防を心掛けましょう。
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